WRO2022ドイツ国際大会リポート(番外編) 

2019年にはじめて国際大会に出場してから、新型コロナがあってリアル開催が途絶えていましたが、3年ぶりの国際大会。終わってみればやはりアジア勢の強さが目立ちました。※最終結果はこちらのサイトで確認できます。
https://scoring.wro-association.org/en/event/scoring/29/wro-international-final-2022-germany

結果だけが全てではありませんが、世界の表彰台を目指すことは大きなモチベーションとなりますし、今回のちゃんぽんの活躍によって、それが現実的な目標になるでしょう。この一連の大会リポートを子ども達が見て、国際大会の楽しさを感じてもらえれば幸いです。

今回2回目の国際大会を通じて感じたことをあと少しだけ書き残しておきます。

■ユニフォーム交換

前回そういったものを着ていなかったこともあるのか、今回はじめてあったのがユニフォーム交換です。競技後にマレーシアチームの子から、ちゃんぽん用にオリジナルで作っていった白い上着を交換して欲しいと声をかけられ、マレーシアのチームシャツと交換していました。

他のチームからも同じように声をかけられたり、周りのチームもユニフォーム交換をしている子達がたくさんいました。次回からは交換専用のシャツなんかを作って持って行ってもいいですね。
あとは持って行っていた大きな日本の国旗を交換して欲しいとも言われましたが、ちょっとそれは会社の備品なので・・・(笑)

■食事

2019年のハンガリーでは現地食が口に合わずとても苦労したのですが、今回はホテル滞在もあって朝食は最高!私は会場の食事は2回しか利用しませんでしたが、ベストではないものの日本人でも普通に食べられる内容でした。

水か炭酸水を、はじめに渡された会場用のコインで交換できるので、飲み物の面でも特に不都合がなく食事面で大変だったことはなかったです。それでもやっぱり持って行っていたみそ汁やカップ麺はホッと一息つけるものでした。

わりと日本で食べている味に近い会場食

■交流

フレンドシップナイトなど他国の選手と交流する際に、子ども達は特にインスタのアカウントを交換していました。スマホを持っていれば大会後も交流を続けることができるので、インスタだけではないですが世界的に利用されているSNSなんかを使っておけば、交流手段としてお手軽に利用できると思います。

さっそく一緒に撮影した写真を投稿してくれているチームもあったようで。

大会グッズで交流ノートが用意されていました

■観光

今回は最終日にケルンへ移動して、ケルン大聖堂の観光ツアーに参加しました。タイトなスケジュールでしたが、街並みを見たり、有料のトイレを利用したり、文化の違いを感じ普段とは違った経験をたくさんできるのが楽しみです。

個人的にはあこがれだったドルトムントの地に行けたことが嬉しかったのですが、大会スケジュール自体がタイトで、あまり自由に散策できるほどではなかったのが心残りではあります。

みんなで上まで歩いて登りました

■その他

スペインチームの子が「日本のアニメが大好きなの」と声をかけてくれたり、ロボットやプログラムについて教えて欲しいと言われたり、様々な面で海外の方々と交流できるのが国際大会の良いところ。

そうなるとやっぱり英語ができることが必須になってくるので、ある程度は聞けるし、最低限のことは伝えられますが、もっと詳しく説明しようとするとなかなか言葉が出て来なく、特に技術的な面を英語で伝えるにはまだまだ足りませんね。

チームの子ども達も英語で聴く、英語で伝えることに関して、もっと英語を勉強したいとモチベーションになったようで、単純に学校で英語の勉強をするだけではなく、こういった場に向き合う経験が大事なんだとあらためて感じました。

海外チームのコーチにプログラムの説明をするメンバー

来年の開催地はパナマ。
ぜひ皆さんその地を目指してがんばってください!

若田

WRO2022ドイツ国際大会リポート(競技3日目)

競技最終日は予選の残り試合と、ベスト4のチームで行う決勝トーナメントです。ちゃんぽん(CHAN-PON)は昨日8勝しており、初戦のアメリカ戦に引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まります。

調整も終わりアメリカ戦。途中ややボールのタイミングが悪いシーンもありましたが危なげなく勝利し、決勝トーナメント進出を決めました!
残りは同じく決勝トーナメント進出が決まっているマレーシア戦でしたが、さすがに完成度の高いチームで、さらに3マッチ目にはパーツが途中で外れてしまうアクシデントもあり、初の敗北となってしまいましたが、予選は3位通過となりました。

(ロボテニス競技の試合は、3マッチで1試合になります)

気落ちするチームにジャッジの皆さんが声をかけてくださったり、いったん休憩を挟んだことで気持ちをリフレッシュして決勝トーナメントに臨めそうです。大会を通じてジャッジの皆さんは皆が公平に、なにより楽しく競技ができるように運営してくださっていた印象です。

さて運命の一戦。なんとここで再びマレーシア戦です。
さっき負けたばかりの相手なので不安感とリベンジのチャンス、両方の気持ちが入り混じった状態です。

マレーシア戦3マッチの結果は1勝1敗1引き分け、なんとジャッジがスマホで撮影したビデオ判定になるまで白熱した接戦となりました。トーナメントの勝ち上がりを決めるため、追加の1マッチを行うことに。ここで勝てば決勝に・・・でしたが、惜しくも敗退し、3位決定戦に回ることになりました。

特に一番右のジャッジが盛り上げ隊長

特に上位チームの対戦では、目まぐるしくピンポン玉の状況が移り変わり、2分終了のタイミングでどちらにボールがたくさんあるかの判定になります。1球の転がり具合が勝敗を分けると言っても過言ではないぐらいの試合が続きます。

3位決定戦は、もう片方のトーナメントブロックで行われた、台湾とタイの試合の結果、タイチームと試合を行うことになりました。タイチームはこの4チームの中で唯一カメラを使っていないチームです。カメラを使えばボールを認識して追随することもできますが、その代わり、スピードと正確さ、確実にまとめてボールを運搬できる強さを持っています。

この試合も息詰まる熱戦となりましたが、1勝2敗でちゃんぽんの敗退となってしまいました。これによりドイツ国際大会の結果は第4位となり、惜しくも表彰台を逃してしまいました。本当にあと一歩まで表彰台に近づいていただけに悔しさはありましたが、世界のトップ4に入れたことは本当に誇らしく、日本を代表するチームとして輝かしい結果ではないかと思います。

熱戦を繰り広げたマレーシアチームと

ロボテニス競技は今年度からはじまった競技です。ちゃんぽんは、1月にルールが発表されてから競技に参加する生徒を募り、同じ時間帯の同世代で結成したチームです。個性が異なる3人は、チームとして同じ時間を過ごしながら少しずつお互いのことを知り、チームとして固まってきたように見えます。

7月の西日本大会では3位でしたが、8月に浜松で行われたJapan決勝大会の決勝戦では、先に1敗した状況から巻き返し逆転での優勝、そして今回の国際大会と進む中で一人ひとり成長し、意見を出し合い、それぞれの個性を発揮し、世界の舞台で戦えるチームになりました。
来年は今のところこの3人でチームを組むことはありませんが、競技だけでなく、国際大会で得た様々な経験をそれぞれの進む先で活かしてもらえればと思います。

最後に行われた表彰式。舞台で表彰されているチームを見ていると、やっぱりあそこに立ちたかった気持ちがわいてきます。その夢はこれからちゃんぽんに続くチームに託すことにして、私自身は、さらにこの競技が国内で盛り上がるよう活動を続けていきたいと思います。

若田